【エンジニアブログ】言語化できるスキルを身に付けよう! 言語化は集団/組織の継戦能力を最大値化する近道(後編)

みなさんこんにちは。
パーソルプロセス&テクノロジーの正直者のはず 須田です。

「昔SPI(適性検査)を何度か受けた際に、内向性がMAXと評価されていた」という話をするたびに「…ライスケール(嘘つき度)は?」がセットでついてきたのはなぜでしょう。
もちろんライスケールは0でしたよ?

さて前回、『骨太な組織』を構築して、社会的な信頼性の高い組織にしていこうと思ったらその施策の1つとして「再現性」の高いプロセスを積み上げていくことが重要で、その実現の第一歩として今まで感覚や経験則などの属人的な取り組みに任せきりだったものを「言語化」してチーム内、あるいは組織内で共有していくことがとても大切だとお話ししました。

今回はその続きです。

↓↓ 前編はこちら ↓↓

はじめに

本内容は次のような方々に向けたものとなっています。

 ・継戦能力の高いチーム作りや永続化された組織作りにお悩みの方
 ・安心して任せられる人材を作り出しやすい環境が欲しい方


 あと、「嘘やん」とお思いの方。

自己紹介

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須田 孝(Takashi Suda)
システムソリューション事業部 技術統括部 品質保証部。
「ことさらモノづくりという事業において、様々な「質」を中心にプロセスを構築し、マネジメントを実践すればSQCDすべての面においてハイパフォーマンスが実現できる」をモットーに日々奮闘中。
先日、小学生時代の絵の具セットが古い段ボールが出てきました。「物持ちいいなー…」と思ったのも束の間、カチカチになった元絵の具らしきもの、毛が抜けて棒だけになった筆、ちょっと力を加えただけでパリパリ割れていくバケツを見て、早々に捨てました。

 

言語化スキルは広い視野を持って 

とかく集団を「組織的」たらしめるのは、そこにコミュニケーションが発生し、その質によって個人では成し得ない大きな力にできる点にある…のは前回説明の通りです。

そしてコミュニケーションを成立させるには、どうしても意思疎通を図るためのツールが必要になります。これを私は「言語化」と呼んでいます。

よって、なにも日本語でだらだらと表現するだけが言語化ではありません。ここで凝り固まってしまうと一気に難易度や大変さが跳ね上がってしまいます。ボディランゲージという言葉があるように、文章にしなくても言語化できる方法は多種多様にあることをまず知っておいてください。

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そして、図や表なども集団のなかで共有できるレベルにまで昇華できていればそれは立派な言語化の1つです。わかりやすいところで日本が誇る文化の1つ『マンガ』や『アニメ』も人のイメージを言語化し、共有する言語化ツールと言えるのではないでしょうか。

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エンジニアの皆さんにとっても馴染みのある言語化ツールと言えばチャートではないでしょうか。たとえばそう、フローチャート等です。

同じような発想のもとにできた有名な図表にはUML(Unified Modeling Language:統一モデリング言語)もありますよね。UMLはすべて図(charts and diagrams)で構成された10(または11)の様式のことをいいますが、その名の通りLanguage…言語といわれています。

UML

・作成するのに少々特殊なツールを用いないと効率が悪い
・(ツールがないために)作成しても相手が読み取れるとは限らない

といった事情から、欧米や他のアジア圏はともかく、日本ではあまり普及していない言語の1つです。ですが、きちんと使いこなせれば要件定義~詳細設計でも、各種調査やメモとして残す際にも使える非常に優れた言語群ですので、食わず嫌いをせずに使いこなしていただければと個人的には思っています。

たとえば先日、「問題」を起こしてしまった際の対処としてその汎用的な処理手順を整理していたのですが、これもまたUMLの1つ(アクティビティ図)を用いたものとなります。

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テスト工程でバグが検知された際でも、設計工程でレビュー指摘を受けた際でも、あるいはマネジメントで期限を超過してしまった場合でも、「問題」と言えるものが発生した場合にはどこでも使える処理フローとなっています。

「是正(修正)」「再発防止」「影響範囲の特定」「類似見直し」の4つの関係性と手順、判断基準などを1つの図表にまとめています。文章で整理すれば数千行にもなるであろうこれらの内容も、このように図表を用いて言語化してしまえば数百文字で表現可能です。

ちなみに、作成に用いたツールはAstah*Community v6.9です。商用利用が可能な最後のバージョンで既に提供もされていない無償ツールですが、ただ脳内整理して画像化するだけであれば個人的にはこれで十分です。

再現性を阻む障害

やはり会社を、組織を、あるいはチームを永続的に成長、繁栄させていくためには個人が持っているイメージや感覚、経験則などを言語化し、その内容から組織的に活動できる仕組みやプロセスへと昇華させていくはたらきが必要です。

そう、重要なのは「一人の能力」より

「組織文化の醸成」

なのです。そしてそこには常に「非言語的なプロセスの言語化」が伴わなければなりません。言葉にできなければ誰かと意見を交わすことすらできません。共有することも不可能です。チームとして、組織としていつまで経っても統一感のある活動を行うことができません。

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言語化する」という手続きを踏まない以上、コミュニケーションは決して成立することなく、コミュニケーションが成立しない以上、絶対に集団としてのパフォーマンスを生み出せないのです。そして集団としてのパフォーマンスを生み出せないということは、いつまで経っても個人主義に頼らざるを得ず、組織文化を醸成することは適わないということでもあります。
結果、ある「特定の誰か」がいなくなった時点で立ち行かなくなる事業やプロジェクトといったリスクを常に抱え込んだ脆弱な組織、集団となってしまいます。

ではみなさんは日頃、どのようにこの「再現性」を得るための努力をしているでしょうか。

たとえば開発プロジェクトを思い起こしてください。

3か月前にお客さまと取り決めた詳細な仕様や設計内容について「当時とまったく同じ認識や理解を得られる状況を生み出す」ために、みなさんはどのような取り組みをされていますか?

いつでも
だれでも
何度でも

まったく同じ理解、認識になっていますか?

いえ、個人が…ではなく、組織として、チームとして誰一人欠けることなくそれが実現できていますか?

ちょっとしたプロジェクト活動などでもこの「再現性」というのは、案外軽く扱われているシーンを見かけることがあります。結果的に、認識の抜け漏れが発生しても、お客さまとの間で認識の齟齬が発生し大きな問題に発展することがあっても、です。

それを「予算が…」「スケジュールが…」というのは言い訳になりません。「その結果、問題を起こしてもいいのか?」というとそれは絶対にNoだからです。既存の手法にとらわれず、知恵と工夫を駆使して限られたリソースのなかで実現する方法を模索していくしかありません。「できるできない」で悩んでいても決して前には進みません。「やる+どうやるか」でしか人も組織も前に進めないのです。

これは、そもそも組織文化の醸成過程において「再現性」そのものがあまり重要視されてこなかったことにも起因します。

それだけ「とても優秀な方々が多かったのだろう」という予測はできるのですが、それもそうした優秀な方々が最前線で頑張れている間だけ有効となる話です。病気で戦線を離れたり、昇格や異動、離職などで集団から外れてしまったりしたらそこでおしまいです。

実際、私も10年以上前に入院した際、仕様や設計で確認したいと多くの人たちが訪れ、問い合わせを受け、挙句、病室にPC一式を置かれ、いつでも対応できるように…と言われたことがあります。
まさに、「人」に依存することで組織的なフォローができない状況を生み出した良例(?)と言えるのではないでしょうか。

「勝って兜の緒を締めよ」といったことわざがあるように、人は調子がいい時は調子が悪くなった時のイメージができにくいものです。しかし調子が悪くなってからなんとかしようとしてもあとの祭りです。特に組織文化なんてものは一朝一夕で醸成されるものではありません。大抵の場合は年単位で浸透させていくものですから、調子が悪くなってしまってから立て直すのは一苦労です。

個人が優秀であればあるほど、このことがおざなりになりやすいんですよね。
なにせ、個人で様々な成果を出せていた頃はそこまで集団のパフォーマンスを感じやすい環境に身を置くことも無かったでしょうから。

言語化の先にあるもの

適切なイメージの言語化を行うということは、そのまま「コミュニケーションを成立させる」ということに他なりません。言語化したところでそれが自分以外の誰かに伝わらなければ意味がありませんよね。言語化することそのものが目的ではなく言語化はただの手段です。目的はあくまで「コミュニケーションを成立させる」ことであり、これによってのみ集団活動の円滑化が図れて、パフォーマンスの最大値化が可能となるわけです。

誰かと意思疎通を図れば、それはコミュニケーションとなります。そしてコミュニケーションを成立させるというのは、相手に伝わってほしいことが齟齬なく伝わるということでもあります。

「伝える」のはさほど難しくないのですが、大事なのは「伝わる」ことです。どんなに必死に伝えても相手に伝わらなければなんの意味もありません。コミュニケーションが成立するかしないかは『受け手が決める』ものです。送り手が好き勝手に決めていいものではないことを肝に銘じておきましょう。

小さな子供と話をするのと同じだと思ってください。子供と同じ目線に立って、こちらから歩み寄っていかないと話もままなりませんよね。

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TVCMやチラシでも同じことが言えます。見る人が理解できる内容になっていなければ視聴者に伝わるものも伝わりませんよね。

お客さまと会話するシーンを想像してみてください。ITの専門用語ばかりぺらぺらと並べ立てても、ITリテラシーに疎いお客さまは、ちんぷんかんぷんですよね。

プログラムの関数を思い浮かべてください。これから呼び出す関数へ渡す引数は、呼び出す側が自由に定義できるものではありません。常に呼び出される側(受け手)が事前に決めているものですよね。

すべての『情報伝達』において同様のことが言えます。

ゆえに、
「コミュニケーションを成立させる」ための言語化というのは、私は

「コミュニケーションの摩擦係数をゼロに近づける」

ということだと理解しています。
一切の摩擦が無くツルッツルッの状態で軽く押せばどこまでも進んでいくくらいストレスフリーな状態にすること。相手に思考や忖度をさせる暇もなく理解や納得を導き出せること。そうなるような言語化を心掛けること。そして、できるだけ優秀な人たちの過去の実績に裏打ちされたプロセスを

いつでも
だれでも
何度でも

再現できる組織文化を構築すれば、あとはその世代ごとの人材たちが活用し、応用し、時に改善し、放っておいても組織は「常に」「安定して」成功をおさめ続けていくでしょう。

そうして洗練された仕事は必ず次のようになります。

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そうして良い結果をおさめ続ければ、当然お客さまの信用を得ます。次に依頼する仕事の期待も否応なく高まります。

日経コンピュータなどが定期的に出している顧客満足度調査などで上位を取る かも知れません。口コミだけでなくそうした評価も相まって、ますます競争力が向上すること請け合いです。

それに優秀な方々の成功プロセスに対し、再現性が高いということは「失敗」「ミス」などによる手戻りも減るということです。手戻りは最も多く消費される冗長コストの1つです。これが減るということは、そのまま純利益に還元されるということでもあります。

まとめ

このように

再現性の高い取り組みと
それを実現するための言語化およびその徹底


することが、いかにメリットしかない素晴らしい仕組みか、おわかりいただけた方もいるのではないでしょうか。是非みなさんも、自分だけのスキルやノウハウにとどめておこうとせず、どんどん言語化を図り、組織のパフォーマンスを向上してみてください。そしてそうすることが当たり前の組織文化を醸成させていきましょう。

これを「show-how」といいます。

専門知識、技術情報、ノウハウを英語でknow-howと書きますよね。how (どうするか)を知っているという意味です。情報社会ですから、ノウハウは無形資産としてしばしば大きな価値を持つのは間違いありません。

しかし、ノウハウでは個人として優れることはできても、組織を優れさせるには不十分です。show-howとは、技術、プロセス、方法などをいかに見せるかという専門知識です。最近では無形資産の価値も見直され、より組織に、社会に貢献できる情報とすることに重きが置かれるようになってきました。

ノウハウで閉じ込めておくよりも、そうする方が結果的に大きな成果や次のビジネスにつながりますし、そうした方が圧倒的に組織貢献度は高くなるからです。

是非とも言語化する姿勢に価値を見出し、1つも2つもランクが上の組織を構築してみてください。IT業界に生きる以上、できないはずはありません。だってIT(Information Technology)とは"情報を取扱う技術"の総称であり、私たちはその道のプロを名乗っているわけですから。

本内容がほんの少しでもみなさまの役に立ち、何か月、何年、何十年と先を見据えたチームや組織構築の手助けになれば幸いです。

 

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最後まで記事をご覧頂きありがとうございました🙇

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